遺言書Q&A


Q.自筆の遺言書と公正証書の遺言書はどう違うのか?

A.自筆で書いた遺言書を自筆証書遺言と言い、公証役場で公証人に内容をチェックしてもらって 作成した遺言書を公正証書遺言と言います。公証人にチェックしてもらった遺言であると、法的な チェックが入ることはもちろん、公証人に”公証”してもらっていますので、法的に無効となる事は まずありません。

Q.公正証書遺言を作成する場合の立会人って、身内でもよいか?

A.公正証書遺言の立会人(証人)の2名は、推定相続人となる配偶者や子供がなることは できません。これは遺言書の内容において公平性を保つためにも、法律でこのようになって いると考えられます。遺言書の内容において、法定相続どおりにして欲しいという内容は まずあり得ません。誰かが多く財産をもらうという事は、誰かの相続分が少なくなるという 事でもあります。つまり、平等という訳にはいかない訳ですから、そこに立ち会う人(証人) には利害関係がなれないのです。

実際、私たちのお手伝いさせていただいたケースでも、遺言者自身が遺言書の内容に納得 して、最後に子供に見てもらって、子供に恨まれないかどうか確認してから完成させたいと いう方が時々いらっしゃいます。 こうした場合、他の相続人よりも多く相続する方は文句は言いませんが、相続する財産が 少なくなってしまう方から、不満が噴き出してしまう事は少なくありません。 「そんなに長男の事が大事なら、もう正月もお盆も実家に帰りませんからね!」と言われて しまって、遺言書を作れなくなってしまった等のケースが沢山あります。

法律では、こうした事も見越してか、配偶者や子供が立会人にはなれないようになっています。 また、身近な人に自分自身の財産をすべて公開することも不安であると思います ので、やはり私たちのような司法書士・行政書士に依頼されることをお勧めします。

Q.公証人役場で直接的に遺言書を作成したら、法律チェックのみになるって本当?

A.これはある意味、本当かもしれません。公証役場は、公証という、公(おおやけ)の文章 として適法なものであるかどうかをチェックしてくれる場所です。 ですから、この内容では「将来もめてしまうよ」「税金対策が出来ていないから、お子さんが 相続税で大変になってしまうよ」「2次相続対策が出来ていないよ」「これではスムーズに 遺言書を使って財産を渡す事ができないよ」といったアドバイスをもらう事は出来ません。

公証人という人は、準公務員という立場ですから、当然ながらどうやって税金を安くするか といった提案をする公務員はいませんね。

このほか、遺言書においては将来、不動産を売却できるようにこのように記載しないとマズイよ といった遺産分割を円滑にするためのポイントであったり、遺留分対策としてここまでの金額を 入れないと将来の裁判を防ぐことができないよ、といった戦略的なポイントをいかに入れ込むか が重要となります。 しかしながら、遺言書に記載する内容は誰かにとってのメリットですから、誰かにとっての デメリットでもあります。公務員が誰かにとっての不利益な提案をしている事が記録として 残ってしまうなら、損害賠償ものかもしれません。 ですから、公平中立に文章を公に正しいかどうかのみを役割とする公証役場で直接的に 遺言書作成してしまうと、法律チェックのみになってしまうという訳です。 しっかりと相続・遺言に強い専門家に相談して遺言書は作成しましょう。

Q.遺言書作成に掛かる費用って、どれくらい?

A.実際に掛かる費用を専門家が本音でお答えしましょう。下記のような状況です。

<信託銀行> まず、一番高いコストとなるのが信託銀行などです。費用はおよそ30万円~掛かるのが 一般的で、信託銀行の社員は遺言書のプロではありませんので、法的なチェックはすべて 公証人が行うため、必ず公正証書遺言となります。この公証役場での費用やその他の費用も 併せると、おそらく総額で40万円前後になるかと思います。

信託銀行で作成するメリットは、信頼度が高いところでしょうか。反対にデメリットとしては、 信託銀行のサラリーマンの方が起案しているため、司法書士や行政書士など専門家が作成する ものと比べると、やや内容に不安が残る点。また、遺言執行費用も最低報酬が100万円から となっているなど、とにかく費用が掛かるという点であると思います。 遺言書の作成から執行までお願いする事になりますが、最低でも150万円ちかくになって しまうほか、公証人チェックのみで不完全な遺言書になってしまうリスクも残ります。 

<弁護士> 次に費用が高いのは、一般的には弁護士の先生にお手伝いをお願いした場合であると思います。 統計調査では、報酬の平均値としては10万円と20万円という金額が、もっとも多くなって いるようです。また、弁護士の先生は書類作成や手続き代行という業務をメインとしておらず 裁判業務をメインとしているため、あまり遺言書作成を積極的にされていらっしゃいません。 どうやって税金を適法に減らすか、どうやってスムーズに手続きができる内容にするか、 弁護士の先生はそれを仕事としていませんので、的確なアドバイスが出来ない方が多いかも しれません。確実に将来、裁判になってしまう事が予想される方は、弁護士か?と思う方も いらっしゃるかもしれませんが、遺言執行者に弁護士の先生になってもらっても、遺言執行者は 相続人全員に公平中立である必要があります。ですから、本当に将来的に信頼している弁護士の 先生にお願いしたい(代理人になってもらいたい)場合は、作成のみで執行者を依頼しては いけません。

<司法書士> 当事務所では、税理士、弁護士と連携していつでも共同でお手伝いできる 環境がありますので、総合的な視点でお客様にとって何がベストかを考えてサポートができると思います。 

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